新年二日

ボクが育った田舎(漁師町)では、新年が明けて二日、1月2日は、『松なおし』(漁師さんたちの新年の儀式)という行事です。幼いボクも朝から、親戚の漁船に乗せられて、海の七福神を巡り、それぞれの海上に御神酒を撒いて、安全と豊漁を祈願します。それを終えると、陸に上がって宴会です。
乗組員の方々、親戚縁者が一同に会して、海の幸やお酒をたらふくいただきます。それぞれのお膳は、その辺で売られているおせちの重箱より、豪勢で半端でなく高価です。父の為の膳を子供三人でつついても、たべきれません。
で…、
子供としては、稼ぎ時(お年玉)でもあります。何十人ものオトナ達から、結構な額をもらうのですが、母親に全て没収されてしまうのが、腹立たしく…。毎年、最初の親子喧嘩は、お年玉の使い道について。
そのうち、こちらも知恵を付けると、全ては渡しません。でも、母親の誘導尋問で、いくらかは没収され…。そんな戦いの日でもありました。
『松なおし』とは、神々がこの世に天下るのは、必ず『松の木』とされていたから、松を手入れして新しい歳を迎える…。とか、漁に必要な『松明』を新しくする…。とか諸説あるようですが、はっきりとは、判りません。
指導員 ぽんぽこ

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